「証券業界」の課題、それは日本の個人金融資産が預金に偏り、証券投資を避ける傾向が強いことでした。個人金融資産における証券の割合を見ると、米国(52.4%)、ユーロ(29.9%)に対し日本はわずか14.7%と低水準です(注1)。安定を好みリスクを避ける国民性が原因ともいわれますが、タンス預金がいくら増えても、世の中に循環しなければ経済の活性化には結びつきません。
そこで、「貯蓄から投資へ」の転換を目指す政策が進められてきました。2008年のリーマンショック時に大きく落ち込んだ市場規模は2011年から上昇に転じ、証券会社に運用を任せる「ラップ口座」の契約金額が2014年から8年間で10.1倍に急成長する(注2)など、これからの市場規模拡大が期待されています。
(注1)…「資金循環の日米欧比較」2022年8月31日(日本銀行調査統計局)(https://www.boj.or.jp/statistics/sj/)
(注2)…「統計資料―2022年3月末」(一般社団法人日本投資顧問業協会)(http://www.jiaa.or.jp/toukei/)